
夫鳥さん。この間、私が初めて自ら欲しがったボードゲームが家に届きましたね。

「パリ―光の都―」だね。
どうしたの?そんな深刻な顔をして。

日頃、ボードゲームを買い漁る夫鳥さんを諭しているはずの私が、遂にボードゲームに手を染めてしまった瞬間でした……。

でも、時間は不可逆です。私の手も、もうまっさらな頃には戻りません。

う、うん……?

かくなる上は、このなんとも言い難い気持ちをブログで発散するしかありません。

ただブログを書きたいだけでは……?

夫鳥さん!!

は、はい!

このブログでのレビュー記事、第一弾は私の手が染まってしまった瞬間に決まりました!「パリ―光の都―」です!

え?あ、そうなんだ?うん。いいと思うよ。

さぁ!「パリ―光の都―」で遊びますよ、夫鳥さん!

なんだかんだ、すごく楽しそうだなぁ……。
概要

舞台は1889年のパリです。万国博覧会は電気の力で世界を驚嘆させる絶好の機会でした。ガス街路灯のネットワークのおかげで、パリは1800年代初頭からすでに”光の都”として有名でしたが、電気による公衆照明の推進によって世界中が畏敬の念に打たれました。
「パリ―光の都―」説明書より
あなたはこの町の最重要人物の一人となり、自分の建物ができるだけ多くの光に照らされるようにします。この町の新たな灯りの驚異と美しさで芸術家たちに刺激を与え、パリっ子と観光客を驚かせましょう!

はぁ……。溜息ができるくらいお洒落ですね。

2人専用ゲームというところも、落ち着いた雰囲気と合っていていいよね。

対象年齢は8歳~となっていますね。小学生にこの設定の素晴らしさが伝わるといいのですが……。

詳しいことは分からなくても、見た目だけで楽しくなったりするものだよ。
以下が、コンポーネントだね。


ああぁああ~……おしゃ、……お洒落ぇ……。

語彙を失っている……。

どうやら箱自体をボードにするみたいだね。この造りは変わっていて面白いよ。

はやく、はやく遊んでみたいです!

すごくウキウキしている……。ルールもそれくらい気に入るといいけど……。

じゃあ簡単にルールを説明するね。

お願いします!
ルール

まず、設置はこんな感じだね。


周りのポストカードはなんですか?

これはアクションポストカードだよ。それぞれに特殊能力を持ったカードで、ターンを消費して選ぶことで能力を発動させるんだ。
自分の手持ちピースを変更したりできるものもあるし、特殊ピースと対になっていてボード上に直接影響を及ぼさせることもできるものもあるよ。
12枚あるけど、ここから8枚を選んで使うんだよ。




アクションポストカードは1回しか使えないから、使ったら裏返して使った人が自分のアクショントークン(下記の写真の丸型トークン)を置くようにするよ。
ゴロダラさん、太陽と月、どっちがいい?


太陽がいいです。

じゃあ私が月だね。
ゴロダラさんのプレイヤーカラーは橙色、私が青色だよ。

まず、このゲームは以下の2つのフェイズに渡ってプレイするよ。
①敷石タイルの配置と建物ピースの獲得。
②建物ピースの配置とアクションの実行。

敷石タイルと建物ピースはこれですね。



私たちは今、すでにシャッフルされた自分の(ゴロダラは橙、夫鳥は青の)敷石タイルを裏側にして持っているね。まず、上から一枚引く。これが持ち札になるよ。

ここからゲーム開始ですね。
第1フェーズ 敷石タイルの配置と建物ピースの獲得

第1フェーズでできることは、以下のどちらかだよ。
①敷石タイル(持ち札)をボードに配置して、新たに札を引く。
②二人の間に置いてある建物ピースから一枚、自分のものにする。
これを繰り返して、それぞれ8枚ずつある敷石タイルを全てボードの上に配置し終わったら、第2フェーズに移行するよ。


第1フェーズ終了が、上の状態ですね。
第2フェーズ 建物ピースの配置とアクションの実行

そして、第2フェーズでできることは以下のどとらかになるよ。
①自分の持っている建物ピースの配置。
②アクションポストカードの発動。

ええっと、これって私は橙の部分にしかピースを置けないんですよね?

いや、紫色は2人のどちらが置いてもいいんだよ。逆に、街灯の描かれている部分は2人とも置けないよ。
建物ピースを設置した後は、自分の建物だと分かるようチームカラーの煙突駒を乗せてね。
2人とも建物ピースを置けなくなった、かつ周囲に配置された8枚の特殊能力の全てを使い終わったら第2フェーズ終了だよ。
勝利点算出

最後に、勝利点の計算だね。

なんと!短いですね。プレイ時間は約30分となっているけど、そんなに時間かかるでしょうか?

遊ぶ時に、時間も計ってみよう。
街灯に照らされている建物の数や大きさ、アクションポストカードによる得点などを計算して、より多くの勝利点を獲得した方が勝ちだね。
自分の建物ピースはゲーム終了時に余らせてしまうと減点になるから、注意が必要だよ。

これ、対戦ゲームなんですね。説明読んだ段階では協力ゲームと思っていました。てっきり、協力して街を照らしていくのかと。

街がゴロダラ猫勢力と夫鳥勢力に二分されていて、どちらの勢力がより街を活性化させるかの勝負と考えるのがいいかもしれないね。

なるほど。負けませんよ。いざ、勝負です!
感想戦



1勝1敗……!

でも2試合目は、私があまりにも損の多い行動を取ってしまって夫鳥さんに「本当にそれでいいの?」と助け船を出してもらったから、実質は2敗……。

いやぁ、考えごたえがあったなぁ。想像したより奥深くて面白いね!
第1フェーズ、敷石タイルを敷いて有利な場所をゲットするか、大きな得点源となる建物ピースをゲットするかで、相当なジレンマを抱えるね。

1試合目、夫鳥さんは敷石タイルを敷くことを優先して、私は建物ピースのゲットを頑張りましたが、大負けしてしまいました……。

ゴロダラさん敗因は、街灯の位置を意識していなかったことだね。むしろ、街灯を中心に考えないと得点を伸ばせないゲームみたいだからね。
でも、私もかなり手探りだったし、ボードがスカスカで寂しい街並みになってしまったね。それにくらべて、2試合目はすごくいい感じだよ!

1試合目の時、特殊ピースの画家が強すぎるという話になりましたが、2試合目だとそうでもありませんでしたね。
画家駒のあるエリア内(建物で区切られている範囲のみ)にある街灯1つごとに追加2点。一試合目はなかなか建物を建てられずに、ゴロダラ猫は広く開けたスペースに画家駒を置くことができた。画家駒だけで16点得ている。
しかし、2試合目は建物ピースを両者がうまく配置したことによってスペースが細かく区切られてしまい、画家駒は4点を得るに留まった。

そうだね。いやぁ、特殊能力の扱いもなかなか難しいね。

私は2試合通して、特殊能力に救われた感がありますが……。

かといって、特殊ピースありきで考えることはリスクが大きすぎるよ。相手に取られてしまったら、それで終わりだからね。

た、確かに……。私の場合は夫鳥さんが手心を加えて特殊能力を使うことを後回しにしてくれたから自分の好きな能力を選べましたけど、普通はそうじゃありませんもんね。

いや、手心を加えたというよりも、自分の持っている建物ピースをより早く配置することを優先しただけだよ。紫色のタイルは2人共通の場所だから、そこを塞がれると置けないピースもあったしね。

あとは、建物ピースの左右を逆にして覚えていて、いざ配置しようとしたら「置けない!!」ということもありました。

建物ピースは回転させられるけど裏返すことはできないから、そこはしっかり見て形を確認しながら進めないといけないね。

特殊能力をきちんと把握できずにミスったことも何度か……。

それは初めてのゲームなら普通にあることだよ。
一番大きな建物をできるだけ多くの街頭で照らすのが、一番単純かつ有効な戦略のような気がするね。
レビュー

どうでしたか?「パリ―光の都―」

面白かったなぁ!私はかなり好きなゲームだよ。
一番好きな2人専用ゲームは「ローゼンケーニッヒ」なんだけど、その次に好きな2人専用ゲームになったよ。
薔薇戦争をモチーフにした2人専用ゲーム。赤薔薇チームと白薔薇チームに分かれて陣地を取っていく。敵駒を自分の駒にするチャンスが4回あり、その4回をどう生かすかが勝敗を左右していく。
夫鳥さんが最も好きな2人専用のボードゲームであり、レビュー記事を書いてやろうとゴロダラがひっそり企んでいるゲームでもある。

高評価ですね!

うん。最後の勝利点計算用のトラック(点数を見える化するためのボード)があれば、私の中ではパーフェクトだったよ。わざわざ電卓を持ち出さないといけないのは、ちょっとしたことだけど手間に変わりはないからね。

ああ、勝利点の計算は夫鳥さんに任せてしまいましたもんね。……すみません。

いやいや!そんなことは全然いいんだよ。
ゴロダラさんはこのゲームどうだったの?

めちゃくちゃ面白かったです。すごく!面白かった……!!
もしかしたらコンポーネントのお洒落さに引っ張られているのかもしれませんが、とにかくワクワクしました。

コンポーネントの美しさだってそのゲームの特色なんだから、引っ張られているなんてことないよ。つまり、まるっと全部ひっくるめて、大好きだったってことでしょう?

そうです!その通りですね!!

ルールを見た時に想像した以上に、自分の好きに升目を作ることができなくて悩むね。建物も思うようには建てられなくて、私はそのもどかしさがとても面白かったよ。

1試合目はルールの把握に夢中になって時間を計り忘れてしまいましたが、2試合目は30分きっかりでしたね。軽いゲームということですよね?

そうだね。時間だけ見れば軽いけど、しっかり考えないといけないから重ゲー好きの私でも楽しめたよ。

対象年齢は8歳~とのことでしたが、小学生には少し難しいのでは?という気がしなくもないですね。自分の周りにその年齢の子供がいないので、なんとも言い難いのですが……。

うーん。対戦相手が1人だけだしやることも少ないから、遊ぶだけなら可能かな。きっちり戦略を立てて遊ぶとなるとちょっと難しいかもしれないけど、ゲームが楽しくてパリや近代に興味を持つ子もいるかもしれないね。

なるほど!それはとてもいいことですね。興味を持ってこの時代や歴史を少しでも調べてくれたら、ゲームをプレイしながら色んな想像ができてもっと楽しくなると思います!
でも個人的なおススメは、大人同士で夜にコーヒーかお酒でも片手に遊ぶことですね。そんな雰囲気のゲームじゃないですか?

私たちみたいに夫婦やカップルでやると、すごくいいかもしれないね。

あとは、近代好きの方は仲間内で!ぜひ!!

ゴロダラさんは画家とムーランルージュに一番反応していたね。

画家!アールヌーヴォー!まさにこの時代を映していますよ!
そして踊り子!ムーランルージュ!!これこそ19世紀のパリです!私、映画「ムーランルージュ」が大好きで、DVDも持っているんです。ニコールキッドマンの美しさにクラクラしますよ!!見ますか!?

い、今!?
”19世紀末から20世紀初めにかけて、都市化と産業化を背景に、フランスとベルギーを中心に広まった国際的な芸術運動・様式。仏語で「新しい芸術」を意味する「アール・ヌーヴォー」は、(略)国境を越えて西欧全土に起こった現象であり、さまざまな呼び名がある。”
アートスケープ「アール・ヌーヴォー」より
2001年制作のミュージカル映画。ユアン・マクレガー、ニコール・キッドマン主演。有名な曲のカバーが使われていてどこかで聞いた曲ばかりなので、聞いているだけでも楽しい。そしてニコール・キッドマンがとにかく美しい。

今です!DVD持ってきますね!待っててください!!

……え?私が締めるの!?

ええっと、……ゴロダラさんも私も揃って楽しめたゲームです。軽いゲームが好きな方はもちろん、私のように普段は重いゲームをメインにやっている人も充分に楽しめると思いますよ。ぜひ、皆さんもパリの美しい街並みに光を灯してみてください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました!